所信表明

クラブからリリースがあった通り、2020シーズンよりヴェルデラッソ松阪の代表に就任することとなりました。

これまであらゆる組織に所属し、どこに行っても大抵は中心となって物事を進めるポジションにいたように思いますが、「トップ」と呼ばれるポストを明確に与えられたのは高校の生徒会長以来でしょうか。

周りの評価がどうだったかはわかりませんが、自分の中ではあの経験は明確な失敗体験。

今でも「完璧な組閣」と自負している役員人事で、信頼できるメンバーに助けてもらって、活動自体は上手くいっていたと思いますが、生徒会活動って意外と一般生徒からは見えづらいもの。
全校集会でのスピーチが数少ないタッチポイントとなっていて、そこでいかにウケるかという、たったひとつの物差しで能力を測られているような感覚がありました。
前任者がすごく面白い方で、スピーチで脅威的な支持を得ていたこともあって、そこに対するプレッシャーが過度に大きくなっていたと思います。
面白い話をしようと考えれば考えるほど、深い迷路に迷い込むような感覚。
結果、任期中のスピーチはほぼ全てスベりました。

今思えば、役割をはき違えていたことは明白ですし、自分の能力以上のことをやろうとしていたように思います。
生徒会長になったからといって話が上手くなるわけでもないのに。

余談が長くなりましたが、18年の時を経て、あの失敗体験を成功に変えるチャンスが巡ってきました。
自分は組織のトップに立ちますが、組織でトップの能力を持つ人間になるわけではありません。
身の丈を理解し、周りの力を借りながら、楽しくやっていこうと思います。

さて、クラブのことですが、早いもので創設から10年が経ちました。
何かを10年間続けるというのは大変なことです。
ましてや多くの人間が関わることなら尚更。
足りないことばかりに目が行きがちですが、ここまでやってこれたことは単純に素晴らしいと思います。
10年間で少しでも関わって下さった方々に感謝です。

県2部リーグにトップチームが参入するところからスタートし、今では東海1部リーグまで辿り着きました。
セグンド、U-15、スクールとトップチームに続く下部組織もでき、良い選手が輩出されているだけでなく、それぞれのチームが年々戦うカテゴリーを昇格させていますし、タイトル獲得などの結果も出しています。
ランニングクラブ、キッズダンススクールなど、サッカー・フットサル以外の競技もクラブの中に持つことができ、「豊かなスポーツの街 松阪」を実現するための総合型地域スポーツクラブとしての下地もできつつある状態。
クラブに関わってくれる選手・スタッフ、支えて下さるスポンサー・サポーター・保護者など多くの皆様のおかげで、正直「順風満帆」と評価してもいい実績です。

しかし、創設当初の目標であった「東海リーグ昇格」を達成したあたりからでしょうか、内から湧き出てくるような熱量が出せていないこと、徐々に周りの人たちとの心の距離が離れていってしまっている現状に我々は危機感を感じています。

この頃のように、クラブや選手の成長・成功を自分たちだけのものでなく、より多くの方と共有・共感し、みんなで感動できるクラブを取り戻していきたいと思っています。

そのために何をすべきか、どういうスピード感でそれを進めていくのか(多くの選手が家庭を持ったり、仕事が忙しくなってきていることを考慮した上で持続可能な活動を)
具体的なことは何も見えていませんが、みんなで協力してやっていきたいと思っています。

外に向けてクラブを発信していくことももちろん大事ですが、今シーズンに関してはまずヴェルデラッソ松阪のクラブの中で人と人を繋げる活動(トップと下部組織の交流など)、アスキーフットサルパーク松阪に来て下さる方々にヴェルデラッソ松阪の存在、そこに関わる人間のキャラクターを知ってもらうことから始めようと思っています。
是非、温かく受け入れていただけるとありがたいです。

以上、所信表明でした。
今後ともヴェルデラッソ松阪へのご支援・ご声援を宜しくお願い致します。