夢は形を変えて

「いつか帰ってきて、育ててくれた新居浜のサッカー界に恩返しする」

自分の力も、街のことも、何にもわかってないくせに、偉そうに大見得を切って故郷を離れた18歳。

あれから20年が経ちました。
長い年月をかけて、少しずつ自分の力の無さを思い知ったり、選んだ世界の現実を突きつけられたりして、あの日と同じ温度感で大きなことは言えなくなってしまいました。

ただ、その想いがなくなったわけではありません。

来週、ある仕事で1日だけ新居浜に帰ることになりました。
もちろん、フットサルに関わるお仕事です。

幼い頃に夢見たプロサッカー選手になることも、それを諦めたあとに目指した審判員になることもできなかった自分ですが、あの日描いた夢を捨てたことはありませんでした。
もちろん、当時のイメージとは全く違う形なので、「夢を叶えた」などと言うつもりはありません。
しかし、捨てなかったことで、その道のプロとしてオファーをいただけるようになったこともまた事実。


何万人もの観客の前でプレーするJリーガーを夢見たサッカー少年は今、
20人ほどのオジサンたちと一緒にボールを蹴ることを仕事にしています。

Jリーガーになれなくて、Jリーグで笛を吹く審判を目指した青年は今、
松阪市のフットサルリーグで笛を吹いています。

様々な現実を突きつけられ、夢を諦めなければならないことは必ずあります。
しかし、その根底にある「想い」は形を変えて叶えられることがあると思うのです。